このページはひよっこのお薦め本を
紹介なんぞしていきたいと思います。




妹尾 河童 さん
河童が覗いたインド
深いインドを疑似体験

未知なるインドの北から南まで河童さんが毎度お馴染みの温かな手書き文字と なんとも繊細な芸術的イラストと共に織り成される貴重な1冊です。 タージ・マハールをはじめとするインドの建築物や宗教のことは然ることながら、 インドのホテルも河童さんがお得意の上から見た立体的なスケッチで 分かりやすい。歴史やお国柄を含めたインドの深さを読者自身も頭で イメージしながら、河童さんの旅のお供をさせていただいている感覚になっちゃいますよ。
どんなガイドブックよりも深くインドを知れて、 楽しめると思います。私も1度は足を運んでみたい国ではあるのですが、 相当の覚悟と勇気と我慢などが必要そうです…いやはや。 河童さんのイラストと文字が本当に素敵なんです。それに、 旅にはセットでついてくるエピソードもたくさんあって、 河童さんの人柄に微笑ましくなる項もいくつもありました。 まだ最後まで読み終えてないので、1ページずつ丁寧に読んでいきたいと 思ってます。
河童が覗いたニッポン
あなたは知っていますか、この国のこと…

意外と知られていない皇居のことや、ヨーロッパなど&日本の鍵、驚きの地下鉄工事の世界、 刺青と入墨の違い&入墨の歴史のことなどなど、 日本に関する深い深い事柄を河童さんならではの視点から描かれています。
いろいろ自分の国について知ることができました。 この国は歴史のある国で、誇れるものがたくさんあるんだと 嬉しくさせてもらったり、河童さんに感謝ですね。 いつものことながら細密なスケッチには驚かされます。特に皇居には感動さえ 覚えたのを記憶しています。地下鉄工事も物凄いことになってますよ!!
河童が覗いたヨーロッパ
22ヶ国、115部屋!!

河童さんが1年で訪れた国の数はなんと22ヶ国。 そして、泊まられたホテル数は115室にものぼる。 写真では決して感じ取ることの出来ない 各々のホテルと鉄道で働く人たちの服装スケッチ付。
初めてこの文庫本を手にとって 中を拝見したときに「こんな温度のある面白そうな本があったんだぁ〜」と 感心してしまった!!すぐに私の心を掴みました。 もぅ、ほんと信じられないくらい素晴らしいスケッチに言葉もありません!



石田 衣良 さん
うつくしい子ども
あの衝撃的な事件が…

とある中学生が残虐な事件を起こした。その犯人は自分の弟… いままで平凡だった当たり前の生活はその事件をきっかけにし、崩壊し始める。 兄である主人公は弟の気持ちを理解してやりたい一心でと、事件と向き合い、 その糸口を見つけてゆく…弟の影にいた人物、それは…?
読めばすぐに、この小説が何の事件を 基に描かれているか判るはず。衣良さんは某番組で「一人の子どもが 起こした凶悪な事件のために、ほかの子供もそういうものであると 認識してほしくはない」というようなお話をしていらした。 衣良さんのそういう想いも感じながら読むとまた違った解釈が できるのではないかと思う。
4TEEN
直木賞受賞作品関係なしに…

友だちから借りて読みました。東京の月島という地を舞台に繰り広げられる14歳の 少年4人の切なかったり苦しかったり青春一杯のストーリー。
どんどん読めちゃうのは、やっぱ衣良さんの 作品だからこそな気がしてならない。友情って本当にかけがえないもので 「いいなぁ」と思わしてくれるそんな作品です。
池袋ウェストパーク1〜4
あまりにも有名すぎて…

ドラマ化され人気爆発、マンガ化もしているようで内容の説明は要らないくらい 余りにも有名な小説。 フルーツ屋でありライターであり事件解決屋の主人公「マコト」、 ギャング集団Gボーイズの王様「タカシ」、その他、個性豊かな 面々が繰り広げる池袋を舞台にした爽快(?)ストリートノーベル!!!!! 事件の展開はどれも予想のつかないものばかり。 感動あり涙ありの友情ありの熱い熱い超★ホットな小説です。
4はあまり爽快ではないが、 ほとんどが読み終えたあとに肩の荷が 楽になると思います。推理小説っぽいけど、 そうとは言い切れないし、もうなんてったて 池袋って都会なのに人情味があるんだなっ! 私が好きだなって思う要素はマコトの小説の中で語る口調とか、 もうホント沢山あるんだけど、特に行間にあるポイント&ヒントとなる 絵文字みたいなのがツボなんです。 キャラクター1人1人が活き活きしていて、 もう彼方も読書に嵌ること間違いなし!



嶽本 野ばら さん
ミシン
なにこの小説?深すぎる!!

「世界の終わりという名の雑貨店」と「ミシン」の2本立て。 前者は出逢ったことで歯車が動き出してしまった男女2人の逃避行、切なき恋ものがたり。 過激な部分もあったけど、結末には先が読みにくいのも手伝ってか驚かされた。 読んで行くに従って「あぁ、そうだったのかぁ」と理解でき、なんともいえぬ気持ちにさせられる。 後者はパンクバンドの花形のミシンちゃんと1ファンだった女の子の話。 バンドに入れ込むの激しさには「わかるなぁ」ってとこも多少あるけど、 やっぱこの女の子の想いは只ならぬ、真面目にスゴイものだった。 両者とも話の展開に唖然とさせられた!
今まで読んできた小説とはまったく 違った感があった。2つの話を通じて、PUNKと洋服ブランドがキーになっている。 後者からいくとMILKが鍵に。前者はVivienne Westwoodが大きな鍵となっていて、 話の中で丁寧にVivienne Westwoodの説明までしてくださってる。 以前、TVで作者の野ばらさんを拝見した時、作者さん自身も指輪などVivを まとっていらっしゃったのを目にしたんですが、小説の中でもファッションを色濃く 主張されてることでその想いの重みを読者側も感じると思います。 ただの洋服じゃぁ、ないんだね。
ツインズ
再び…

「世界の終わりという名の雑貨店」のつづき。 今はなき、片割れの彼女を心に宿しながら、生きているのか死んでいるのか 自分の存在をどこにも所属できない彼が教会で出逢ったもうひとりの彼女。 彼女は「あなたとじぶんはツインズ」だと彼にいう。 そして彼女は赤い涙を流すマリア像を売っている、その理由は… 彼女は。彼女の中に…神が降りてくると… 2人は出逢ってしまったのだ。 もう誰にも止められない展開をあなたはどう読み入れるでしょうか?
あぁ重い、重いっす…こんなに重いお話は 滅多にないです。本当に、作者の野ばらさんが事実を小説にしたんじゃないかと 思えるくらい、あまりにも切なくて、もどかしくて、どうにもならなくて。 本当、どうしましょう?って 廊下があろうものならウロウロと右往左往してしまいそうです。 心の中に生じる重い深い解けない雁字搦めの感情・精神、 人間はこれほどまでに孤独を抱え、壊れ易く、でも人を求めてしまう。 深すぎるけど、どこかわかる、そんなストーリーだと思います。
ロリヰタ。
すてきなお話の2本立て

「ロリヰタ。」と「ハネ」の2本立て。 前者は、主人公である「乙女のカリスマ」と呼ばれる小説家と ファッションモデルさんの甘くも胸キュンな恋のお話。 ファッション雑誌の撮影のために用意されたロリータのお洋服。 しかし、モデルの彼女はロリータファッションはしてみたかったけど、 用意された目の前にある何か違う服を着るのが納得できないでいた。 そして、そこにタイミングよくロリータそのものををこよなく愛する 小説家が現れ、何か違う用意されたお洋服をアレンジした。 無垢でかわいい彼女と心に罪を背負った彼。 その出逢いをきっかけに次第に彼は彼女に惹かれてはいく。 彼の厚い心の氷を溶かした彼女だったのに、この恋は 決して許されない恋だったのです。それは…。 後者は、自らも彼から貰った大きな羽を背負い、 彼と約束したハネを作り、彼との未来するはずであった 表参道で作った羽を売っている健気過ぎる女の子のお話。
前者の「ロリヰタ。」は私が読んだ野ばらさんの作品の中で 1番ほっとして読み終えられました。 このモデルさんが本当にかわいくて仕方ないですねぇ… KEITA MARUYAMAを「マンマルキンタ」って言っていて、ちょっと笑えました。 2人の携帯メールのやり取りがDoCoMoで絵文字で表現されていたりと、 紙面上なのにもかかわらず、とってもリアルです。 ほのぼのするところもあり、切なくなるところもあり、 これはある意味、新しい恋のパターンなのかもしれません。 後者の「ハネ」は、これもあぁ、胸が痛い痛いになりますです。 もうこの世にはいない彼との約束をひた向きに守リ続ける彼女。 そんな彼女に訪れた黒い影。それでも、彼女は羽を作り続ける。 彼女と彼との背景が解かれていく度、彼女の気持ちに自分の気持ちが重なっていく。 そんな哀愁いっぱいのお話です。
下妻物語
ヤンキーちゃんとロリータちゃんの友情ものがたり

深キョンと土屋アンナちゃん主演で映画化された物語の原作。

ジャージ天国と称される尼崎市からダメオヤジの阿呆な都合で 茨城県の下妻に越してきたロリータに全てを捧げる「桃子」と 見た目は恐いが義理人情に人一倍熱い爆走ヤンキー「苺」、 一見、正反対に思える2人の女子高生の泣けるほど熱い(!!)友情コメディー作品! 桃子のダメオヤジの作ったベルサーチのバッタもんをキッカケに出逢った桃子と苺。 ゾッキーな苺は日本語に弱すぎるほど弱く、特攻服には「御意見無用」と 刺繍したつもりが「御意見無様」…(・・;)勝った喧嘩の捨て台詞には 「覚えてやがれ」…(゚_゚i)桃子は血の通わないトーンで苺に突っ込む様が なんとも可笑しい。友情なんて必要としていなかったはずの桃子が 苺のために必死に変わってゆく姿は何ともいえないほど胸を打ちます。
小説の箇所箇所に野ばらさんの胸に響く言葉が登場人物を通じて、私たち読者に 伝えてくれるそんな有難いこともありつつ、桃子と苺のキャラの濃さに驚きつつ、 励まされつつ、本当に大好きな作品になりました! もちろん、映画の方も拝見しました。映画の監督と脚本はあの話題になった 「トヨエツと山崎努さんのビールCM」を撮られた中嶋さん(…確か。)という方です。 カメラのアングルも他の監督さんではありえないような感性で、監督さんのこだわりが とても生きていました。映画の前半は原作をそのままなぞった感じで、後半は 監督さんのオリジナルも踏まえつつ、野ばらさんの伝えたかった事柄は逃していない、 小説と映画、同じ作品でありながら少し違った下妻物語を味わえます。 大抵、原作を映像化した作品は原作には敵わないという声が聞こえますが、 この作品はどちらも納得できると私は思います。
下妻物語-完-
サブタイトルが“ヤンキーちゃんとロリータちゃんと殺人事件”て、 あの2人に何が起こっちゃったの?

名作「下妻物語」の続編でもあり、完結編でもあるこの作品。 イチゴの初恋相手であり、イチゴの尊敬する亜樹美さんの旦那でもある竜二が 殺されたことで発生したもう1つの殺人事件。東京から茨城への高速バスのトイレ中で、 竜二の兄貴分が何者かによって殺害された。偶然にも、そのバスにイチゴと桃子は 乗り合わせてしまった。警察の捜査がはじまると、いつの間にか全乗客のなかでイチゴだけ アリバイが成立せず(…イチゴの隣りに座っていた桃子は 徹夜のために寝入ってしまっていた…)、容疑がイチゴに向けられてしまう。 果たして犯人は!?そして、お洋服にしか興味のなかった桃子が恋♪そのお相手は 元ヤンキー/現ジャスコ警備員&走り屋!!・・・イチゴの恋は?・・・2人の友情の行方は??
もう爆泣きしてしまいました・・・桃子のお婆様の言葉が是またステキ!! イチゴの相変わらずのボケっぷりには噴出してしますし、 桃子のお洋服に対する熱には本当に尊敬しちゃいます! 2人の友情はギュウウウウウウウウウウウウウウっと堅く、 2人の未来はキラキラと眩しくて・・・ただただ読者である私が 言えるのは下妻物語を読むことが出来て心からうれしいということです! そして、もう一つ、 「こちらの作品も是非とも映像化して戴きたいです!!」 かわいい深キョンの今回も頼もしいであろう姿&シャープなアンナさんの温かいであろう演技が 頭に浮かんだ状態で読んでしまえちゃうのは、私と同じ境遇のみなさんなら 理解して戴ける気がしてなりません♪



貴志 祐介 さん
青い炎
切なき殺人者

主人公は家族に苦痛を与え続ける義理の父に対し、 完全犯罪をもくろむ。綿密に研究し、実験を重ね、タイミングを見計らって、 それをよせばいいのに、実行してしまう。父の命はすんなりと逝ってしまった。 しかし、完全犯罪を成し得るには自分の不信な行動を見、自分を疑う者も 始末しなければならなかった。そして、主人公は殺人を重ねてしまった。 ・・・主人公の遂げたはずだった完全犯罪、 それは主人公自身を死へ追いやる術となってしまうのだ。
「なんでー?」と、 読み終えたあと叫んでしまいたくなるような小説です。 もうちょっと我慢できていればなぁ…と思わずにはいられません。 これは映画化されていて、主人公は嵐の二宮くんでした。 蜷川さんが監督だったので、かなり期待したのですが、 映画だと時間の関係でカットしなきゃならないこととか、 文字より伝わりにくいとかあるので仕方ないのもわかります。 が、やっぱり私は本の方が断然よかったです。 もどかしさや、痛々しさが生々しく感じられたからです。
ISOLA
題名にヒントが…

時は阪神大震災。ヴォランティアで神戸を訪れた女性(主人公だと思います)は 人の心の中を読み取る力がある。そこで出逢った多重人格の少女。 彼女はなんと13もの人格を心に宿している。だが、その13人目の人格、磯良は あまりにも危険な人格だった。女性は少女を救おうと懸命に動く。 次第に磯良の正体が明らかに...
コワコワですわ…私、ホラーもの苦手なんです。 でも、このISOLAの謎が解けた時は、少しスッキリしました。 「あぁ、なるほどねぇ!!」と。こちらも映画化されてます。 映画のジャケ?恐いっす!!主人公さん演ずるのは木村佳乃さん。 少女役は黒澤優ちゃんです。でも、内容はやっぱり小説の方が数倍恐いっス!! 犬を殺すシーンとかあるんですけど、めっちゃリアルでしたぁ…ふへぇ…。



その他の本たち
アルジャーノンに花束を
日本でもドラマ化された世界の名作

知能指数の低い主人公が医学の治療により、徐々に回復されてゆく。 しかし、それと同時にいままで見えなかったものが見えるようになった。 人からすればあまりにも当たり前の世界。 次第に、彼の脳は昔のように…
とても分厚い本なんだけど、 夢中になって読んでしまいました。彼の変化が文章で読み取れるほど、 上手に翻訳されており、感心しました。とても考えさせられた作品の1つです。
AMELIE
映画とは一味違った世界

超有名なアメリの小説版。話の内容を知らない人のために… アメリは平凡な毎日を送っていた。だからといって、それが不満なわけではなく。 人に小さな悦びを与えるのが好きだった。でも、ある日、アメリは恋をして…
なにが良いって、やっぱり私の大好きな 100%ORANGEさんの挿絵です、はい。とってもCUTEなのです。 お話も目まぐるしい日常で忘れかけているなにか大切なこと、それを押しつけるんじゃなくて 「そぉおっ」と語りかけてくれるような、そんなお話です。
くまのプーさん
Disneyと出逢う前のプーさんを知っていますか?

お話はそのままわざわざ説明するまでもないでしょうけれど、念のため。 主人公の男の子、クリストファー・ロビンと彼のぬいぐるみであるクマのプーや 子ブタのピグレットたち森の仲間が繰り広げる、甘くてやさしいのんびりした世界。 でも、本人たちにとっては精一杯の毎日。 赤いオべべをまとわないプーに違和感を覚える人も多いと思いますが、 Disneyのプーにしても、元祖プーにしても、心の摘まれる場所はいっしょではないでしょうか?
個人的には私はDisneyのプーは好きでは なかったのです。あまりにメジャー過ぎたし、どうも私の肌には合わなくて…でも、 この元祖プーに出逢い、プーのことがとっても好きになりました。どこか抜けてて、 いつもハチミツのことばかり考えていて、だけど、とっても友だち想いなプー。 朗らかなシェパードさんの挿絵が大好きです。あ、お話の中で棒を投げて競争している あの場所が実在してるってご存知ですか?




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私はハッキリ言って「読書大嫌いっ子」で、
社会人になるまでまともな活字の本なんぞ、
1冊も真面目に読んだことがありませんでした。
今の私が本を読むということは
そこから何かを学び取ろうなんて姿勢は全くなく、
映画を見るような感覚でただ、読んでいます。
だから、高い確率で読んだ本が映画化していれば、
借りて観てしまうのであります…。 ひよっこ著






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